2012年9月19日水曜日

その7 「良心」 ローマ2章、ヘブル9章

前回私たちは神様に対する「反発」についてこう学びました。「しかしあくまで自分でやってみないと納得できない、どうして嫌だというなら、神様はあえてあなたをそのままにされることがあります。その先には神様の懲らしめが待っています。それは、あなたが、罪の悲惨と、神様の愛がどれほど深いかを身をもって知り、より愛する者となって、帰ってくるためです。その時、私たちは気づくことでしょう。自分の受けた懲らしめなんて本当に僅かなもので、その何倍もの懲らしめを、イエス様が十字架の上で受けて下さったことを」。今日のテーマは「良心」です。

そもそも「良心」とは何でしょうか?そのことを考えるときに、本当に不思議な気がします。世界には色々な民族がいます。でも良心となると、全世界にある程度、共通の価値観が見いだせるのです。合理的に生きて、弱肉強食を正当化するなら、愛など邪魔なはずなのに、人間は愛なしには生きられません。それは私たちが「愛である神様(Ⅰヨハネ4:16)」に創られた、特別な「霊的な存在(神のかたち)」だからです(創世記2:7、マラキ2:15)。だから聖書を一度も読んだことがなくて、神様のことを全然知らない人でも、心の奥底では正しいことや、愛のあることを慕い求めているのです。聖書にもこうあります。「彼らはこのようにして、律法の命じる行いが(生まれながらにして)彼らの心に書かれていることを示しています。彼らの良心もいっしょになってあかしし、また彼らの思いは互いに責め合ったり、また、弁明し合ったりしています(ロマ2:15)」。

しかしその良心は、長い年月の間に随分ゆがんでしまいました。コンピューターでも、使えば使うほど余分なデータが蓄積したり、プログラムにエラーが生じたりして、正常に機能しなくなります。私たちの心もある意味似ています。人類は長い時代を経て、また個人においても経験を積めば積むほど、神様の喜ばれない情報をいっぱい見聞きし、罪というエラーが心を汚染し、知らないうちに良心が正常に機能しなくなっているのです。いったいどのような症状が現れるのでしょう。

良心が誤作動し、過敏に反応してしまうのです。聖書には「弱い良心」という言葉が登場します(Ⅰコリ8:7)。偶像礼拝は聖書においてはっきり禁じられています。しかし偶像に捧げられた肉を食べることは特に禁じられていません。でもそれを食べることによって良心が傷つき、罪悪感を覚えてしまう人がいる。そのように敏感を通り越し「過敏になってしまった良心」のことです。こういう人は必要以上にたくさんの律法(宗教的なルール)を設け、自分も他人もがんじがらめにしてしまう傾向があります。そして信仰がかえってその人を苦しめてしまう矛盾が起こるのです。

反対に、良心が鈍感になり過ぎるのも問題です。聖書に登場する重い皮膚病は忌み嫌われていました。それは神経が麻痺し、小さな傷から腐敗が広がり、やがて死んでしまう様子が、罪とよく似ていたからです(イエス様は彼らを愛し、触り、癒されましたが)。良心も無視し続けると、だんだん鈍感になっていきます。多くの人は理論武装をし、良心の声を必死でブロックします。「みんなもやっているさ」「たいしたことないさ」。でも、そうしていると、良心が麻痺し、やがて霊的に死んでしまうのです。「罪からくる報酬は死(神様との関係の破綻)です(ローマ6:23)」。

どうしたら健全な良心を持ち続けることができるのでしょうか?聖書にはこうあります。「まして、キリストが傷のないご自身を、とこしえの御霊によって神におささげになったその血は、どんなにか私たちの良心をきよめて、死んだ行いから離れさせ、生ける神に仕える者とすることでしょう(ヘブ9:14)」。まずはイエス様を心にお迎えすることです。そして自分で自分をコントロールしようとすることも止めて、この方にすべてをゆだねることです。すると聖霊が、あなたの心を内側からきよめ、時間をかけて癒してくださいます。また御言葉をバランスよく読み続けることも大切です。この際も、決して自分で自分を救おうとしないでください。牧場に憩う羊のようにゆっくり御言葉を味わうのです。「あなたに罪を犯さないため、私はあなたのことばを心にたくわえました(詩篇119:11)」。こうしてエラーが積み重なった私たちの心は新しくされていくのです。

あなたの良心は正常に機能していますか。一切の言い訳を捨て、神様の前に静まる時間をつくりましょう。目を閉じて神様に思いを集中しましょう。感じませんか「イエス様のささやき」が。



まして、キリストが傷のないご自身を、
とこしえの御霊によって神におささげになったその血は、
どんなにか私たちの良心をきよめて
死んだ行いから離れさせ、
生ける神に仕える者とすることでしょう。
(ヘブル9章14節)




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